今日はおやすみ。これは梅雨じゃない。僕は直置きのマットレスの上でぼんやりな曇り空とスマートフォンの白い画面を重ねて文章を描いている。
本当は毎日おやすみなんだ。販売会と言っても友達のいる所に遊びに行くだけ。でも、今日はおやすみ。

紀伊半島から関東に来て丁度一ヶ月。
新鮮な刺激は人生を長くする。
都会と山を行ったり来たりするのは。本当に贅沢な事だと実感した。

一つに固執すれば、それはやがて深みを超えて腐り始める。丁度いい塩梅を俯瞰するべきだと再認識したよ。

塩梅をぼくはずっとシオウメと読んでいた。瑞穂が教えてくれた。あんばいって!
シオウメは腐らない。
だけど塩梅は食中毒予防の法律に今や絶滅危惧。三年前に実家から貰ってきた大きな瓶の最後の星屑を食べながら僕は久しぶりに生き急いだ。
スーパーにならぶ賞味期限のついた。砂糖水の蜂蜜と色漬けのそれは一つの太陽を代謝しようとしているのか。
早く自分で漬けて食べたいな。
僕はただ太陽を感じていたいんだ。
その辺で買える。日の丸弁当の真ん中には変な香りのする。かわいぶった赤いLED。ピエロの鼻。
僕は右翼じゃない。黒ずんだ斑点の干からびた塩辛い梅を食べたいんだ。

顔の濡れたアンパンマン。鼻に梅干しを嵌めていたら。みんな。新しいパンを投げてくれる。
3歳まで小さなアパートに住んでいた。若く僕を産んでくれたママと。コーンポタージュのクルトンが大好物。
アンパンマンを夢見ていた。強くて優しい正義のヒーロー。
首にタオルを巻いてソファーから何度も飛んだ。
4歳になって。引っ越した。初めての幼稚園はとても怖かった。山姥みたいな先生がみんなの前で僕に言った。襟を直しなさい。
僕はえりってなに?。えり?
すると先生がまた、襟を直しなさい。
えりって??聞いたら。
えりだよえり、、、えり!!!って大きい声で。笑
人生で1番に怖かったんだ

ある日、幼稚園のグランドの陰で僕はバイキンマンを見つけた。アトピーで小さな身体のかばおくんは三匹のカビルンルンと身体の大きなバイキンマンにいじめられて。傷だらけ砂だらけの袋叩き。
ぼくパンマンは、かばくんに覆いかぶさって。やめろ。弱いものいじめをするなよって。それでも辞めないカトキンマンに僕は飛びかかった。
僕のパンマンはあの日キンマンに負けた。あの日は僕の人生で1番悔しかった日。誰も僕の顔を交換できない。

最近はパンを食べないよ。
自由は束縛からの解放じゃない。自分を受け入れる事だ。

クライミングは言語だ。鏡だ。都会にいても白米を美味しく味わえる。おかずだ。
気持ちいい帰り道。ご飯も美味しい。よくねむれる。
クライミングに夢中になれば、壁にいない時もクライミングが出来る。
ただ忘れちゃいけない。クライミングは美味しいけれど、温かいご飯あってこそだよ。ちゃんとみんな。米を炊くんだよ。おかずばっかりじゃあ、みんな塩っ辛くなっちゃうんだ。

販売会をしながら、沢山のクライミングジムにお邪魔した。
僕たちは空き地に集まる子供だ。皆んな穴を掘ったり木を登ったり。キャッチボールをしながら砂に絵を描いている。皆んな夢中になって気がついたら11時。カラスが夜に鳴いている。竜宮城みたいな。

僕は子供服を作っているんだ。野晒のフェンスや電柱。排水溝の蓋。あのぐるぐる回る遊具で誰かがケガするまで思いっきり魔法にかかる。


みんなのおかげで。僕はもっとはっちゃけた恐竜を思い付きそうだよ。魚と一緒に泳ぐのが楽しみなんだ。
今月の曲はこちら!
The Congos : congoman
Slack : 朝の四時帰宅
久保田麻琴と夕焼け楽団 : 星くず
The east flatbush project : Tried By 12
Gerry Mulligan : Night Lights
Ramp : Daylight
David T Walker : On love
Stan Getz : Para Machuchar Meu Coração

矛盾を抱えて人は輝く。どんなに緻密な言語も。この世界を少しも表現しきらない。でも僕はもっと深く勘違いしていたい。

words&photos かいと
宮崎海杜 26歳 千葉県生まれ今は和歌山。
クライミングウェア。Gekko japonicus の制作をしながら地球を堪能中。裸足登攀。
60-70sの音楽好き。
地質。野湯。アート。野食。石拾い。
instagram : https://www.instagram.com/gekkojaponicusjp/
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