岩に自分が映る

words&photos: みずほ

 

一度、幻想は、端っこの方においておいてた。

 

だけど、急に出てきた。

 

夜。天気を調べてみる。

 

昼間はだいぶ、あったかくなってきてる。

 

これから長い雨の予報。

 

 

明日を逃したら、

もう登れないかも。

 

家から30分くらいの熊野ボルダーに

ひさしぶりに行くことにした。

 

 

 

早起きして、すぐ向かいたい気持ちだったけど。

ボルダーマットは、僕岩にある。

僕岩までの道のりはちょっと、たいへん。

川はまあまあ冷たくて、立ち止まったら足が固まる。痛い!

 

1番いいルートを見極めて、思い切って渡る。

いつも、いろんな角度から、

おひさまが見えやすいように川の中を照らしてくれてる。

 

その日の気持ちや、山の状態を感じて、すすんでいく。

 

 

20分くらい登って指をあっためたら

マットをしょって

僕岩を去り、熊野ボルダーへ向かった。

 

 

岩に着いて、

幻想をよくみる。

 

 

これでトライは5日目くらい。

 

バラしはできてたはずだけど。

この岩をなぞる自分の姿が、あんまり、ちゃんとイメージできない。

どんなのだったかな〜。

知りたいな。

 

力まず、のんびり。

つぶを指先でこまかく、ゆっくり感じながら登っていく。

 

 

身体は覚えてる。

 

のっぺりに右ヒールをおしつけあがって、

右手ピンチを保持。

 

 

あれ?

 

登れるかも。

 

 

そう思って、力が抜けて。

マットに落ちた。

 

 

呼吸を整えて

何度もトライしたけど

なんか、かみあわない。

1回目の高度どころか、さっきは特に意識しないで越えられた箇所も、なんかむずかしくなったりしてる。

 

 

なんでできない?

 

焦った。

 

なんで焦ってる?

 

心はモヤモヤしてる。

 

どうしたの?

 

 

変形したおにぎりとゆでたまごをかじる。

 

 

よーくみてみた。

 

わたし。

登りながら、頭の中は、岩の上に立つことばかり。

 

この焦りは、

できない自分を受け入れられないことから生まれた。

 

登ってるのは今だけなのに。

 

そうだ。

現実に起きていること

ただ、あることを

 

私は受け入れられないで

目をそむけてしまうところがある。

 

それは自分自身を否定することと同じ。

 

 

逃げるように下部をこなして、完登というゴールまで登って行く。

 

それじゃそこに何があるの?

 

 

 

わたし。

今を感じようと思った。

 

 

ゆっくり呼吸する。

自分の呼吸が聞こえないくらい。

 

 

熊野の林に

風が吹く。

 

感じる。呼吸する。

 

 

最後マントルをかえすところ、

 

際の際だった。

際がもっと、細かくなった。

敏感だった。

 

落ちたらマットの外。

絶対に落れないと受け入れているから

動くことができた。

 

 

 

心に残る課題、ありがとう。

 

 

words&photos  みずほ

2000年生まれ。登るの大好き。
Gekko.Japonicusでわくわく創造中!
やきいも、水浴び、いきもの探し。
ちょこけーき!

instagram : https://www.instagram.com/gekkojaponicusjp/

                      https://www.instagram.com/mi_mizupo/