恥(?)を承知で、ちょっとだけ真面目に私ごとばなしを。
綺麗事みたいにきこえそうですが、
ロンドンに来てから、「超えられない壁は(ほぼ)ない」と少し感じられるようになりました。
渡英したての1年と少し前は、あんなに楽しみにしていたワーホリがスタートしたばかりなのに、「帰りたい」と何度も思っていました。
怖くて寂しくて辛くて、頻繁に泣いたなぁ。
特に最初の一週間は、何をするにも始めるにも色んな不安が付き纏い、「私には無理かもしれない」と、週の半分くらいはひと泣きしてから疲れて寝るような生活。
心はずっと疲弊して、なんで来たんだろう…とぼーっと考えてしまう。命の危険こそ感じなかったものの、”中身”の危険は自覚できたほど。
想像していた以上に、痛いほどのプレッシャーを各方面から浴びていたのでしょう。
ロンドンに着いても全くワクワクせず、落ち気味のなか食べたサンドイッチ。味がしなかった
なんとか家も職場も無事に決まり、生活も心も落ち着き始めた頃、
「この期間は、私の人生を俯瞰して見たときに、より良い景色を味わうための壁なんだ」と思うようになりました。
仕事や手続きや言語、そういうのではなくて、
不安、孤独、恥、焦り、自分の感情と向き合うこと。
これこそが超えなきゃいけない壁な気がしてたんです。
でも、崖ではない。危なくなったら降りることもできる。
何よりも、私には安心して掴めるホールドのような、優しい人たちがたくさんいる。
甘えよう、登ってみようと前向きになれたのでした。
そこからは、ちょっと逞しくなったのか、(笑)、
小田 実さんの名著『何でも見てやろう』精神まではいかないものの、自分にとって小さなことから大きなことまで、今まで以上に「なんでも見てやろう」と試みています。
難しさは関係なく、壁を超えた先で、色んな感情に出会える気がしたからです。
海外にいる特権、サブスクリプションサービスでジブリ。わたしの精神安定剤だったな
ーーーーー
……なんてカッコつけたこと言いましたが、
大したことも、珍しいこともしてないです。正直。
ひとつは麻雀。
最近、バイト先B(詳しくは前の記事にて)の友達とたまに麻雀をするようになりました。
お酒の醸造スタッフが、興味本位で麻雀セットを買ったらしく、マレーシア出身の同僚は家族がよくやっているとかでノリノリに(笑)。私にも声をかけてくれました。
アプリでしかやったことないし、教えてもらえるのはいいものの、英語で麻雀なんて分かるのだろうか…。
初回はみんなで自分の手札見せながらやってた笑
案の定、🤯←毎回こんな感じ。
まず、テンポが速い。
お金をかけないというのもあってか、スルスル流れるようにターンが回って、その度に英語であーだこーだ言われるから、追いつけない!!(笑)
そして、中国語(北京語)での呼び方や数え方でしか通ってなかったのに、広東語になると分かるはずのルールが混乱する。
ポカーンとなったり、ぎゃーと慌てたりパニック!でも、たまにビギナーズラックで勝てたりもする。やった⭐️
この麻雀会が、今のところ私が参加しているコミュニティで一番多国籍&色んなバックグラウンドを持った人と話せる場です。
そこで学べたのは、些細なことでも「いい感じ!」「いますごく楽しいね!」と、感情を表に出してくれるのは、こんなにも嬉しいんだということ。日本に帰ってもこれは意識しようと思います。素直が一番☝️
そして改めて思うのが、スポーツもゲームも仲を深めるのにぴったりですね。定期的に集まる口実ができましたし、その度に雑談すれば英語の練習にもなる。
回を重ねる度に同僚のあたたかさに感謝して、なんか分かんないけど、頑張ろうという気持ちにさせてくれます。ありがたいですね〜
前回の練習会で、ルールの復習も込めて一緒にゲームしてる女の子のひとりが手札を見せながら打ってたら、
「こういうの、“Netabare(ネタバレ)”って言うんでしょ?🤣」と他の子がキャッキャ笑ってました。ちょっと違う気がするけど、かわいいな〜と思って黙っています(笑)
前回は友人宅にて🀄️自分の似顔絵描かされました。こういうの、楽しいよね
ーーーーー
教える立場も少しだけ経験しています。
あるとき、友人たちが仕事の一環で企画している「寿司ワークショップ」のアシスタントをすることになったのです。
日本人の女性と、彼女のパートナーはポルトガルにルーツがある外国人。しかもふたりともプロの職人ではありません。ふたりでどうやって寿司を教えるのか…?

しかしいざ始まれば、そんな不安は大したことなかったとすぐに気づきます。
ポルトガルは新鮮な魚介類が取れることもあり、実はヨーロッパでもトップレベルの寿司を提供していること。寿司と相性の良い天ぷらは、ポルトガルの宣教師が日本に持ち込んだこと。押し寿司の「バッテラ」はポルトガル語が由来であることなどを絡めながらレクチャーしていました。
ヨーロッパと寿司が密接に関係していると分かると、お客さんも😲という顔してて、とても面白い!
みんな引き込まれていて、その後実際に作るときも楽しく作っては食べ、いい時間でした。
よーく見ると、馴染みのない苺とか野菜もあるけど、これはヨーロッパスタイルってことで🍓
教える側に回ると、自国のこと、日本の言語、習慣、文化の自分の知識が中途半端なことをひしひしと感じさせられます。
「海苔の裏と表を気にする理由は?」
「のり巻きは寿司なの?」
「なぜ酢飯なの?」
このワークショップに限ったことではなくて、日頃のバイト先でも
「味噌汁ってなに?」「日本酒ってなに?」「(ゆかりふりかけを指さして)この紫は野菜なの?」「大吟醸の大(big)はなんで”高(high)”じゃダメなの?」
いろいろ、本当にいろいろ、聞いてきます。
味噌汁を英語で説明するの、味噌を説明しないといけないから結構難しいんですよ……(苦笑)
きっと、こういった機会に遭遇するたびに、
私は日本人でいることに誇りを持たせてもらえるし、自国を知る壁を一手、一歩と登らせてもらっているんだな。
おまけのほっこりばなし。
↑の大吟醸のくだりを一生懸命説明したら、同僚の男性が、
「ああ、“大”好きと一緒か〜☺️」
と発言してました。なんて平和な世界。
あなたのその感覚、大事にしてな🤝と思った瞬間でした。
ーーーーー
もちろんクライミングシーンでもちょっとだけ頑張りました。
先日やっと、念願のリードクライミングに着手!
リードに関しての知識は皆無なのに、これまた英語での説明で大丈夫かな〜と不安はあったものの、手ぶらで行くわけにもいかないので、the reach climing wallというジムの初回セッションを予約しました。
ここは初心者向けのリード、ボルダリングそれぞれの他、女性限定のリード&オートビレイ&ボルダー、キッズの入門/経験者、大人の経験者半日や3日間コースなど、さまざまなワークショップを企画しています。
ロンドン中心部からは40分くらいかかるところに、巨大な倉庫のような建物をジムとして活用していました。

隣にはサーカスアカデミー。これも気になる
ジム内は高い天井を活かしたロープクライミングがメイン。
ロープが完備されているコースが恐らく20はあって、オートビレイコースも7箇所×3ルート。普段ボルダリング畑しか行かない私には珍しいジムでした。
年齢層は結構高め。白髪の男性女性も結構見かけて、鍛えられた腕や脚がとてもかっこよかった!
この迷彩パンツで登るスタイルかっこよい
セッション中は撮影できなかったので文字のみになりますが、今回は女性限定のリード&オートビレイ&ボルダーのセッションに挑戦。私を入れて3人の生徒、2人のインストラクターという手厚いフォローでした。年齢層はほぼ同じくらいだったと思っています。
早速ロープの結び方からスタート。
おお、難しい。
自分の手と、握っているロープがどこにいるか分からなくなってしまう。いくら強く結んでも、万が一があったらパートナーにも危険が及ぶと思うと、何度も何度も結び目を触って確認したくなりました。
ちょっと勇気がいるし、自分だけじゃない責任感でなんだか気が引き締まります。
実際に登ってみると、高く高く上を目指すのは快感だったな〜。木登り好きな性分、燃えます❤️🔥
ところが一転、降りるのに苦戦。高い場所でロープを信用できなくて、結構怖かったです。
リードからオートビレイに移ったときに「少し怖い」と話したら、隣でインストラクターの女性が、
「Let’s go together, I’m on your side believe me」と心強い言葉をくれて、一緒に登って、1.2.3!で一緒に降りました。
ちょっとコツも掴んで、無事に降りれた私は調子に乗って「トム・クルーズになった気分✈️」とインストラクターに伝えました。1作目の有名なCIA潜入シーンが頭に浮かびましたけど、シリーズ2作目くらいに崖も登ってましたよね?イーサン。
そしたらインストラクターの赤毛の可愛い女性が「この子ちょっとガキだな」みたいな空気の、なんとも言えない笑いを返してくれました。特にその後のセッションに影響はなかったから、良しとしましょう。
セッションは1時間半、休憩なしでノンストップ!
もう最後のボルダリングセクションは腕が言うことを聞かなくて、何もできませんでした。いい疲労感だったな。
まだまだ練習しないとだけど、まずは足掛けできたことに乾杯!
そして、ジムが主催する練習会に初参加できたのも、またひとつ自分の中にあった壁を超えた気がします。
ーーーーー
今回は少し堅いはなしと口調が続いてしまいました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
先日、イギリスでもやっと公開された『国宝』を観たり(在英日本人にとっては念願すぎて、まじでみんな観に行ってます)、
アークテリクスの公式YouTubeにアップされた松藤藍夢さんの「現世」チャレンジドキュメンタリーを観たりして、
「人間ってなんて貪欲でかっこいいのだろう。私は何をしているんだ」
なんて完全に浸ってしまいまして、
もちろん比べるにも及ばないほど些細な内容ですが、「壁」と喩えた私のプチチャレンジを残したくなりました。
松藤さんのコーチが、最後に
「越えたね、1個でかい壁」
と言っていたのが印象的で、
登れるか登れないかのギリギリの精神状態だったことを想像すると、この励ましの言葉はもの凄く自信に繋がったんじゃないかな〜と思います。
私も定期的に、でかい壁越えるぞー!
またも大事を言っているようにカッコつけてしまいましたが、
ぶっちゃけいま一番の強敵は、たまに現れるイギリス全体を脅かす熱波と夏バテです。冷房完備がほぼないロンドンでの34℃、死にかけます……
水分補給と塩分補給を怠らず、皆さまもお身体ご自愛ください🥒
words&photos風間 菜央
