先日、庭で育てていた白菜が折れました。
これは僕の日本語の使い方が下手くそな訳ではなく、
潰れた、とか、腐った、とかではなく、
たしかに「折れていた」のです。
あんなに丸っこい白菜が折れるわけないだろ!と、思うのも当然ですが、
今回は少しばかり事情が異なりまして。
我ながら信じがたいのですが、こちらが私の育てあげた白菜。

白菜?一体全体どういうことやら。
八百屋というよりは、お花屋さんに並んでいた方がしっくりくる気がします。
購入した苗は、ごくごく普通の品種の白菜の苗(冬月90というもの)
のびのびと自由に育って欲しいという、僕の願いを、白菜側も大いに汲み取ってくれたようです。
中々に個性を出してきました。
実はこちらの白菜が、記念すべき僕の人生初の家庭菜園。
成功なんだか失敗なんだか、イマイチ分からないのですが、
折角なのでこの、ちんちくりんな白菜の成長記録を、ここに記しておこうと思います。
時は少し遡り、半年ほど前。
私事ですが、昨年の9月に祖父が他界しました。
病床の祖父と会話をしている際、
最近の僕の身に起きた、人生の転機とも言える嬉しい出来事を報告したのですが、
そこで返ってきた答えは、
「野菜は、育てた方が良いな〜」
でした。
一見会話としては成り立っていなかったものの、
祖父は長年、畑仕事をライフワークにしていたので、
もしかしたらその言葉は、
僕の報告を理解した上で、祖父の経験から培われた価値観に基づいた、大事なアドバイスであったのか、
はたまた僕の報告は全く理解されておらず、ぽっ、とその時頭に浮かんだ言葉を発したのか。
真相は不明ですが、
しかしまあ何となく、その言葉がその後も頭に残っており、
「とりあえず、じいじの言うことだし、一旦素直に聞いとくか」と、
ネットで白菜の苗をポチッ購入。

近所の園芸屋さんのおじちゃんにヘルプを求め、勧められるがままにプランターやら土やらを揃えて、
苗を植えたのが昨年の10月15日。
鍋のベストシーズン1月に収穫して、美味しく食べること!を目標に設定し、
僕の人生初の家庭菜園がスタート。

とは言っても、3日に一回くらいお水をあげるだけで、特にこれといった作業もないようです。(園芸屋のおじちゃん曰く)
毎朝様子を覗いて、虫がいたら取ってあげて、何となく日当たりの良い場所にプランターを移してみたりして。
ただただ成長を見守るのみ。
雨にも負けず、雪にも負けず。
(2月8日)

(3月2日)

目標の1月はゆうに過ぎてしまったものの、3月に入って葉も大きくなり、ようやく食べ頃の兆しが見えてきました。
あとは結球して、いわゆる白菜の丸い形になるのを待つのみだ。
と思っていたのですが、何だかやたらと縦に伸びたがる様子。
(3月19日)

たまに手で、ぎゅっぎゅっと葉を内側へ丸めて、進むべき道を教えてやろうと試みてみるものの、
言うことを聞く気配はなし。
3月24日
この辺りから丸めるのを諦め、もう何となく観葉植物的な愉しみ方へと、僕の心持ちも変わってきました。
こうなったら出来るだけ大きく、綺麗な花を咲かせてほしい。

蕾が膨らんでいる、もう一息か!
3月26日
朝ご飯を食べていると、出勤で玄関を出たはずの同居人が慌てて戻ってきました。
「凜太郎!!やばいっ、白菜に花が咲いてるぞっ!」


その後もスクスクと成長し、4株とも綺麗な花を咲かせました。
背丈もかなり大きくなり、見応えのある白菜?に。
(3月30日)

けれども、何事も節度を保つことが大切なようで、翌日に仕事から帰ると、
育ち過ぎて自重に耐えられなくなった白菜が折れてました。
あれま。

でもまあ、いつかは食べなければいけない運命だもんな、と、
愛着の湧いた白菜の終わりに寂しさを感じながらも、
引っこ抜いてまな板の上へ。

とりあえず、葉と茎と花に切り分けて、
大きな葉と茎の部分は茹でて、お浸しに。
小さな葉と花は天麩羅にして、いただくことに。


しかし、僕は天麩羅を今まで自分で作ったことがありませんでした。
クックパッドを見ながら挑戦してみるも、いくらやってもただの「油まみれの白菜」にしかならない、、
何故だ。
どうにもこうにも上手くいかず、半べそかいて凹んでいたら、
ナイスタイミングで同居人が帰宅。
協議の結果、使用している油が悪いのではないかという結論に。
僕は普段、何でもかんでもごま油(しかも濃口)で料理を済ませてしまう癖があり、
今回もそのごま油を使用して、揚げようとしていたんですね。
油をサラダ油へ変え、再チャレンジ。
すると、油を入れた瞬間から、ジュワッと衣が白菜を包み始め、これまでに無かった天麩羅の手応えが。
これぞシェアハウス最大のメリット、ありがとう同居人よ。


天麩羅も、それなりに作れるようになってくると、また更に欲が出てくるものですね。
今度はいかに衣を薄くして、さながら料亭の天麩羅を作るべく、
衣の液の濃度を調整したり、油の温度を保つことに注力したりと、
ひたすらに二人で試行錯誤しながら天麩羅を揚げ続けること2時間。
最終的に、「衣は思っているより少し薄め」「油は高温にし過ぎない」「足りない衣はあとで微調整」といったコツを掴み、
満足のいく白菜の天麩羅を、腹一杯食べることが出来ました。
半年前に買ったちっぽけな苗が、花を咲かせたノッポな白菜?に育ち、美味しい天麩羅へ。
嬉しいな。

先月、dropkneeにも寄稿していただいている、Gekkojaponicusのかいとくん、みずほちゃんのいる和歌山へ遊びに行ってきました。
二人が発見した格好良い岩をみんなで登って、お家にも泊まらせていただき、本当に楽しく贅沢な時間。
美味しいご飯も沢山ご馳走になったのですが、
ご飯の時間になると、二人はふらっと散歩に出掛けて近所の山菜や、庭で育った野菜などを収穫して帰ってきて、食事の支度を始めるのです。
「近所にクライミングジムは無いけれど、ご飯と睡眠をちゃんとするだけで、身体の動きが全然違うんだよ。」と。
自分が普段口にしている食べ物は、どこからやってきたもので、一体どのような過程を経て育ったものなのか。
それを食べることで、どの様に身体に作用して、その結果が動きにどのような影響を及ぼすのか。
洗濯物干すのもHIOP HOP
野菜を育てるのもCLIMBING ?
大袈裟かな?でも、やっぱり繋がっている気もする。
凄く楽しいです。
次は夏に向けて、茄子とオクラの苗を買いました。
白菜の栽培に使用していた土を再利用する為、プランターの土を混ぜこぜしていると、
中から大量のみみずさん達が。
いつの間に!?
もしかして、白菜がスクスク育ったのは君たちが土を健康にしてくれていたお陰なのか!?
こんなに目の前で毎日見ていたのに、自分の知らないところで、こんなにも世界が繰り広げられていたなんて。
きっと祖父は、畑を通して、僕の見えていなかった色んな景色を、毎日沢山見ていて、
僕の知らない、世の中の動きを沢山知っていたのでしょう。
教えてくれてありがとう。
お礼を言いに行かなきゃな。
でっかい茄子を育てて、自慢しに行くから、ちょっと待っててね〜。
words&photos 白木 凜太郎
dropkneeの運営者。好きなムーヴは言わずもがな。
現在、渋谷のおんぼろアパートで人生初のシェアハウス生活中。
マイテーマソングはMINMIのシャナナ☆

