岩で遊ぶ時のギアや服
きっと譲れないこだわりがある方が多いのではないかなと思います。
こだわりがないことがこだわりなんて逞しい方もいるかもしれません。
先月のwebマガジンの高橋良太さんとオーナー白木さんの対談にしっかり感化されたのと、
屋久島のクライマーたちのギアや服がすこぶるイカしているのとで、
今回は、私自身が考えるギアや服のことについてお話することにします。
機能性うんぬんのことというよりは、
‘こういうのかっこいいんだよね〜’ 的なものにフォーカスを当てます。
私がかっこいいなあと思うギアや服は、
とにかく年季の入ったものです。
メッキの禿げたカラビナ、
色褪せたザック、
シナッシナになったクラッシュパッド、
補修テープベタベタなダウン、
先のすり減ったブラシ
など。
使っている方の歴史を感じるギアや服を見るとグッときます。
それらはきっと長く愛着を持ち続けているもの。
その人のスタイルに合っていたり、
思い出深かったり、
はたまた買い換える懐の余裕がなかったり(笑)、
使い続けている理由は様々だと思いますが、
持ち主にしか作れない価値があるものって超かっこいいなあと思います。
そして、冒頭に挙げた 、
‘屋久島のクライマーたちのすこぶるイカした服’
というのは、





これです。こういうのです。
ダーニングと呼ばれる衣服の修繕技法で、
この方法で生地の破れやスレをお直ししているクライマーが多いです。
すごくときめきました。
こんなに素敵に自分の好きな色、好きな形でお直しできるなんて、、、!
お直しというよりむしろ一点モノにカスタマイズをしているようなそんなような。
パートナーやお友達に頼んで直してもらっている方がいたり、
自分自身で直している方がいたり、
どちらにせよ愛着湧くに決まってる、、、!
屋久島に来てから出会った縫い物や編み物が上手な友人にやり方を教わり、私も長く愛用しているパンツの穴を塞いでみました。
かわいい。超かわいい。

ダーニングにも様々やり方があるようですが、
私が試したものは、円の外枠だけ糸を生地に貫通させてなみ縫いをして、そこから円の中心に向かって糸を編み込んでいく方法なので、生地の凹凸が少ないです。
裏側はこんな感じ。

なので、関節の曲げ伸ばしをした時の
’何か当たっている感’ が思いの外なく、
邪魔と感じずストレスがないので、
そこもかなり気に入っています。
屋久島の花崗岩は粒子が粗いものが多く、指皮も服も、何なら服を貫通して脚や腕の皮膚も、容赦なくすりおろしてきます。
岩コロと遊んでいるわけですから、粒子の荒さに関係なく、いくら強くても繊維は破れる時は破れると思っています。
たとえお気に入りの服がズタズタになったとしても、こういう楽しみが待っていると考えるとなかなか粋だなあと思います。
最後に、私のお気に入りのもののお話も少し。
私がクライミングを始めてから1番長く使っているであろうギアを紹介します。
ムーブスポーツのトートバッグ。

多分中高生くらいの頃、祖父母の家で見つけて自宅に持ち帰ったもの。
欲しくて買ったわけでもなく、
いただきものかと言われると若干違うし、
デザインが気に入っているわけでもなく、
クライミングやアウトドアのブランドでもない。
でも、自分のクラッシュパッドを買うより前から使い続けています。
何となく使い始めたのですが、
余計なものがついておらずシンプルで軽い、
自分の荷物を入れるのに大きすぎず小さすぎない完璧な容量、
クラッシュパッドの間に挟むのに完璧な厚み、
タフなジッパーと生地と持ち手(これが1番好き)、
とお気に入りポイントが多く、しっくりとぴったり。最高にちょうどいいです。
時に、
アプローチが悪くて岩の上から滑り落とされたり、
その辺の地面に置かれて砂や土だらけになったり、
帰りを急いでいる時、とっ散らかしてた荷物をガサっとギチギチに詰め込まれたり、
散々な使われ方をしていますが、全くどこも壊れる気配がなく、今の私の岩遊びでは欠かせない大好きな存在です。
大きく破れているところはないですが、この子にもちょっとダーニングをしてみようかなと思います。
words&photos あま
沖縄、琉球石灰岩育ち。某登山用品店で勤めたのち、2025年末より屋久島に移住。
コーヒーは深煎り、お香は白檀が好き。
現在けん玉を練習中。

