今、瑞穂はベイビーゴリラ(7c)をトライしている。パワフルな今日傾斜に遠いカチ。がんばれ!!みずほ!!足。みんなが持つ、この真っ白のコルネに擦り付けな!!油と汗。吸ってくれる。
瑞穂は「わかった」と満面の笑みでホールドを持ちながらチョークの多いところに足を擦り付けている。でも。不自然じゃないように。ムーブの練習みたいにやってる。
オッケーと瑞穂はシューズを履きだした!!あれ!このアヒル。今回はシューズだったのか!!

さて、今日は何日目だろう。あと二週間くらい。トンサイで暮らす。
今は夜。焚き火を眺めながら、文章を書いている。
朝、目覚ましかけるの忘れちゃったけれど、まだ暗い!!
安いパン、トマトイワシ缶と、インスタントコーヒー。2人で家の前で頑張っていたら。ねこきた。双子の子猫。昨日、仲良くなった。パン食べたいと。イワシ食べたいと。すこしあげて、水をいらない大きなキャップに入れたら。よく飲む。あれ、明るい。いこう!


トンサイのグラフティーを眺めながら朝を歩く。
トンサイは今、複雑な変化に揉まれている。
大きな資本のトンサイベイリゾートが昔から営んでいた。クライマーの為のバンブーハットコテージや地元のお店などをジャングルに追いやってしまった。
さらに2014年、ベルリンの壁のような壁を建てて、トンサイのヒッピークライミングの文化と表の資本主義との戦いになってしまっている。焚き火は大きくなってきている。
トンサイの人々は沢山のグラフティを壁に描く。自由の象徴として。
そんな壁に、僕は描く許可と権利を受け取った。ペンキを買いに行かないと!!
僕と瑞穂はビーチの奥のジャングルルーフで米を炊いて、イワシ缶を食べて、スキとpopoして力を貯めた。
たくさんのイワシ缶とグラフティの道具を買いに。町に出るぞ!
僕と瑞穂は5リットルの水とギリギリの財布を持って地元の人たちの救世主。格安スーパー。「スーパーチープマーケット」と画材があるかも。とトンサイで聞いた正体不明の「itセンター」を目指す。
先ずはボートに乗って、アオナンへ。
ソンテウを探したが、なかなか繁華街の逆へは向かわない。
気温は33度くらい。とても暑い。日陰はない。でもお金、やばいし歩くか!!!
てくてくpopoてくpopo。
ソンテウ乗らない分、安いご飯たべて、リキつけた。1時間くらいかな。歩くとついた!!
これがitセンター。名前はハイテクだけれど、日本の田舎の文房具屋に近い。
絵の具は少ない。変な色ばっかり。固まってるやつも多い。
奥の方にずっと売れ残ってそうな、でも頑張れば、ギリギリイケそうな絵の具を幾つか見つけた。白。蛍光オレンジ。緑。黒。暗い赤。筆何本か。
約、15000円くらい。かなり量は少ないけれど買えてよかった。。。
残り6000円くらい。帰りのボート代をピッタリ残せば、4000円。使える。
スーパーチープマーケットで新たなトマトイワシ缶をギリギリまで買って。50円のジュースを1つ、瑞穂と半分こしながら灼熱を帰る。荷物も沢山。ソンテウは乗れない。でもインクが買えてよかった。踵の割れた足を引きずりながら歩く。無事に帰れた。。
今日は僕達のレストDAY。ねるよ。


おきた。ジャングルで米と新しく買った。イワシ缶。
前に買ってたやつよりイワシがゴツくてイカつい!!
蛋白質も多い。タイ米もすすむ!!!うれしい。
堪能していたら陽が出てきた。
まずはみずほのやりたいやつを。とらい!!
僕もアップで少し触ろう!!
7a+だけれど、ハード!!このルートは最初の一手目が核心。ハングの中の棚からぬるぬるピンチでランジだ!短い人は結構危ない!!ランジ難しい。止めれば初めてのクリップがかけられる。
そこからランジはやばい!と思った僕は壁に取り付いている瑞穂の後ろから棚に上がってガバを保持。取り付いている瑞穂の身体をささえた。瑞穂がクリップをかけた!!プリクリップ。完了!!!
そして瑞穂のトライ。
棚に降りてランジする。僕はランジに合わせて、ロープを引く。めちゃ遠い。でも、何回かトライしてかなり近づいてきていた。
僕もやってみようと思ってランジ!飛べはしたけれど、どこに指が刺さるか、意外と分からない!何回かとんでギリギリ耐えられなかった。
でも、目が覚めてきた、あのカッコいいルートやってみよう!
とりあえず。先ほどと同じ動きでクリップ回収!!
やってみたいと思っていたルートが前にある。でも名前はわからない。実物とトポで照らし合わせると。見つけた!8aくらいらしい。
そんなにグレードが高いのか!とびっくりした。確かに、すごくロングなのに、ハードなボルダーにみえる。でも。やってみるのだ!
核心に見える始めのパートをまずボルダーで確認。少しデンジャーだけど、多分戻れる!摩擦が少なそうだから。2ピン目からかけてみよう。
ロープをつけて足と手にチョーク。そろそろ、暑くなってきたな。。棚に上がり、ポケットを持ってランジ。気持ちよく止まった。ちもきい。
クリップをかけて、次のムーブ。僕は裸足だから次は少し大きいムーブを選択。息を吐いて。あーん。とれた!!!コイツは少しガバだ!!クリップ。うぃー。ちもきい。
次はハードなボルダームーブ。チョークをつけて飛び出したら。止まった!!ちもきい。
クリップ。。ふーーー。ちもきい。手がぱんぱん。次のホールドはコルネ。スローピーで僕の手はウェット。いやん。おちちゃった。。。でも、ちもきいから満足。
コルネ観察したら、あそこを持てばいいと思う場所があった。このルート、登りたいなぁ。





午後はボルダー。テンプルケイブ。朝のビーチケイブとは逆のビーチの近くだ。
大きなルーフの鍾乳洞。暑すぎる時はここでのんびり登っている。
最近。フランス人の変なおじちゃんがここにいる。
彼は1番始めの挨拶は面白かった。世界中でルートを作って、何十年も前からここにきているのだ。ここのムーブはこうだと細かくティーチャー。
でも、僕たちが登って見ると。裸足なので違うムーブ。楽しく遊ぶ。彼は少し。不満足。でもおじちゃん180センチはあるし、ムーブ違うの仕方ないね!!
それから、ここにくるたび、彼はいる。そこにきた人達みんなにクライミングを教えている。ビートルズやポールサイモンもスピーカーで大音量で流している。僕もポールサイモン、結構好き。って言ったら無視されちゃった。でもコンチ。負けずに。俺、登る時はブラックミュージックがノリノリになるよ!!って言った。そしたらおじちゃん。もっと不機嫌になっちゃった。
何でもかんでも、僕が触り散らかして。そろそろこのケイブ、お腹いっぱいかなぁって思っていたら。おじちゃんが、このルートをやってみなさい。v10。って言いながら。また近寄って来た!!
えーって思ったけれどラインは綺麗だし、面白そうだなぁ。。
トライしてみると。おおお。グイグイ。気持ちよく登れるぞー!!!イケそう!って思ったら彼が登ってる僕に近づいて。
ダメだ!これは使うな。これもダメだ。ホールドを制限し始めた。オッケー。って思って。降りて。もう一回。やってみると難しい。理不尽なムーブ。もう少しのところで出来なかった。。
後日、そこでおじちゃんに絡まれた何人かのクライマーがトライしていたけれど、やっぱり、限定は無いらしい。そうか。。。おじちゃん。曲者だ!!
あれ、ここ。すごく難しそうだけどシンプルでかっこいいなって思った面があって、トライしていたら。もう少しで核心ができそう。
長くトライして疲れたので、あの彼にあのルートは何か知ってる?と聞いて見ると、これはオープンプロジェクト。V13だって。なんか意地悪な顔。すごく難しいという事かと思ったけれど。なんか、出来そうだな。俺は挑戦する!
その後。
何日か通って、ムーブはバラせたけれど。オープンプロジェクトは登れなかった。でも、身体も呼吸も全て駆使して登れなかったから、大満足。クライミングは全力で挑戦こそ全て。結果は二の次。登れちゃったら寂しいもんさ。
でも。登れたらBamboo chantって名前をつけたいなぁ。
タイに行く前日。僕を山奥の自宅に招待して、最後の日本食を食べさせてくれた僕の友人の名前。
彼は僕がタイにいる間に亡くなってしまった。
僕は記事に書いていない空白の時間。彼が僕の元まで来て。自由の力を貸してくれたんだ。ドロップニーでは上手く書けなかったけれど、タイで行った全ての愛の行為は彼の力もあってやり切れたんだ。
このプロジェクトはBamboo projectと僕は呼んでいる。
誰かが先に登って、どんな名前をつけようと。これは僕の生涯の目標の一つ。また登りに行く。
これでトンサイ編は終わり!空白の部分は、まあ。会って話しよう!!
僕は日々、日本でも沢山登って日々、本気でサバイブしているよ。
みんなのおかげなんだよ。ありがとう。



words&photos かいと
宮崎海杜 26歳 千葉県生まれ今は和歌山。
クライミングウェア。Gekko japonicus の制作をしながら地球を堪能中。裸足登攀。
60-70sの音楽好き。
地質。野湯。アート。野食。石拾い。
instagram : https://www.instagram.com/gekkojaponicusjp/
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