東京都 世田谷区 車中泊ライフ

words&photos: Rintaro Shiraki

クライマーにとって、シューズやチョークと同じくらい欠かすことの出来ないもの。

それは岩場までの移動手段である「車」です。

 

かくいう僕も、クライミングジムに通い出して2年ほどして外岩にハマり、

免許すら持っていなかったところから、車を購入するに至りました。

 

そこで一番の問題となったのが、維持費用といった金銭的な問題。

まさか岩に登り始める日が来るなんて微塵も想像していなかった過去の僕が、生活圏内として築き上げていたのは、東京都の都心も都心。

 

となりますと、家の近辺で駐車場は、最低でも3万円からといったところ。

当時の僕の家賃が6万円でしたので、線を引いただけの地面に、毎月3万円も払えるほど、

僕の懐は寛容ではありません。

 

さてどうしたもんかと。

頭を働かせて捻り出した結果、

「車に住んじゃえば良いじゃん!」

と。

 

冷静に考えたら、車が家の代わりにはなるはずは無いものの、

2年ほど前の僕は、本気でそれが名案だと思い、思い付くや否や住んでいた家を解約。

そして20年落ちの日産のキャラバンを購入。

 

 

 

このような経緯で、僕の「東京都 世田谷区 車中泊生活」がスタートしました。

 

 

 

折角なので良く聞かれた質問について、ちょっとご紹介。

 

Q.駐車場に住んでたって事?

A.そうです。

ただ、契約した駐車場に住み込んでいるとクレームが入りそうだし、入った時に面倒なので、

コインパーキングを転々として毎日場所を変えて、人目に付かぬようにこっそり寝泊まりしてました。

 

Q.住民票とかはどうしたの?

A.住民票は実家に置きました。

税金諸々だったり、行政類の登録だったりも実家の住所で行っておりました。

 

Q.風呂とかトイレとかは?

A.風呂は銭湯orクライミングジムのシャワー、トイレは近所の公園で済ませてました。

あとは駒沢公園の施設にもシャワーがあったので、ランニングがてらそこも利用することが多かったです。

 

Q.ご飯は?

A.都内で寝泊まりする時は、外食一択でした。

山のへ行った時など、広い駐車場に泊まれた時は、なんちゃってキャンプ飯して遊んでました。

 

車を出すのが面倒な時もあるので、自転車もセットで持ち運びつつ生活。

 

 

こんな感じで、意外とまあやってみれば何とでもなるもんだな、というのが率直な感想。

お陰で、安いコインパーキングと銭湯には結構詳しくなったと思います。

 

 

 

 

個人的にお気に入りだったコインパーキングは、駒澤公園駅の真横にある246沿いの駐車場。

安いし、自分の職場へのアクセスも良いし、一番は広くて、いつでも空いているということ。

どんなに素敵な駐車場でも、満車率が高いと、やはりリピートしずらいです。

あと最大料金はマストです。

 

マイGoogle map、🚗マークがお気に入りのコインパーキング

 

熊谷で出会ったディープな銭湯

 

 

ちょっとリッチな気分を味わいたい時なんかには、松濤の高級住宅街のパーキングへ。

次の日の朝は、近所のカフェで奥様方に混じってモーニングを食べながら、松濤の世間話にぼんやりと耳を傾けていると、

何だか不思議で愉快な気分になります。

 

海ほたるのSAで泊まった時は、改造車の集会が行われていたり、

とある街で銭湯に行ったときは、居合わせたお客さん全員に和彫りが入っていたり。

 

 

日々転々と移動する中で感じた「人のコミュニティ」というのは、車中泊生活の中でとても興味深かったことの一つかもしれません。

 

みんなそれぞれに興味や関心の向いている方向があって、その同じような方向を向いている仲間と集まってコミュニーケーションを取る。

世の中にはそういった名前のないコミュニティが無数にあって、そのコミュニティの中で独自のルールや序列が作られていたりもする。

 

例えば自分の思う正解不正解とか、格好良いダサいとかって、所詮その小さなコミュニティの中での話にすぎなくて、

そのコミュニティの輪からはみ出したら、きっとその感覚が全く通用しなくなっちゃったりもして。

 

だからこそ、そういうコミュニティの枠を超えてシンクロ出来る、

自分の核の部分。そして相手の核の部分。(それを心って言うのかな?)

に、愛を持って、しっかりと目を向けることは大切なんだ、と思ったりもしました。

 

 

伊藤オレンジビーチの駐車場は、目の前が海で気持ち良い!

 

飲み会でも終電を逃すことが無くなったし(必然的に店の隣が家になるので)、

旅行先で宿を取る必要がなくなったし、

岩場に前乗りして遊べるし、

良いこと沢山!

家を持ち運べると言うのは、とっても便利!

 

 

な反面、実際に始めてみて分かったデメリットも。

 

 

それは「寝れない」ことです。

 

 

時期が冬だったので、夜の車内はかなり冷え込みますし、

意外と都内の駐車場って地面が斜めになってたりしていて、寝心地が悪いんです。

人が寝ようとしてるともつゆ知らず、駐車場でお祭り騒ぎしてる奴もいたりするし(どっちもどっちなんですが)。

 

そして何より、スペース的に自由に寝返りを打てない。

寝返りがの不自由が、こんなに睡眠を妨げる事になるとは、想像していませんでした。

寝返りはマジで大事。これテストに出ます。

 

 

ただ僕もかなりアホだったので、車中泊生活中はこれに気づく事が出来なかったんです。

なんか毎日寝れねえなあ〜、と思うものの、まあいっか、と原因を追求することもせず。

 

 

後々になって俯瞰で振り返った時に、あんなに寝れなかったのは睡眠スペースの確保が充分に出来ていなかったのが原因だと思い当たりました。

それもそのはず。

車なのに前の部屋と同様に、荷物をめちゃくちゃ積み込んでいたんです。

 

 

クライミング道具にスキー板、海遊び用のボディーボードセットに釣り道具、DJのコントローラーと音響機材一式。

大量のCDとお気に入りの本。

ファッションも好きなので、洋服とか靴も妥協無く詰め込んで、、、etc

 

小田原の海でプチパーティー。積み込んでいた荷物も、たまには役に立つ。

 

 

今まで睡眠に困ったことがなかったので、

睡眠不足が身体と脳に及ぼす影響を、かなり甘くみていたんですね。

 

 

元はと言えば、クライミングの為に始めたこの生活なのに、

慢性的な睡眠不足で、体がちゃらんぽらんになってしまっていては本末転倒。

 

はやくも3ヶ月を過ぎた辺りで嫌気が差して来て、やっぱり家が欲しいよ〜と、

新手のホームシックに。

 

 

そんな時、幸か不幸か、

いや不幸なんですけど、

小川山にクライミングに行った際、僕の不注意により前を走る仲間の車に激突。

 

見事に車がペシャンコになってしまいました。

(皆様、本当にすみませんでした、、、)

 

 

このペシャンコの状態でも走ることには走っていた為、その後も1ヶ月程度はテープで補強したまま乗っていたのですが、

ある日突然エンジンが停まり、レッカー搬送。

原因は事故の衝撃による、ラジエーターの損傷。

 

 

 

これにて車中泊生活強制終了です。

 

 

 

寂しさもあるものの、どこかホッとしてしまっている自分も。

(事故に関しては本当に反省しています。すみませんでした。)

 

今はタイヤとエンジンが無く、

柱と屋根で作られた「家」にて、寝返りをうてる日々に感謝を捧げながら生活を送っています。

 

 

家があると、やっぱり心の余裕が違いますね。

 

車中泊生活も楽しかったのですが、どこかで常に気を張って置かなければいけない意識があり、

今考えるとそれも結構しんどかったのかな。

 

家という概念を生み出した方へ、

大きなリスペクトを捧げたいと思います。

 

 

 

 

 

words&photos  白木 凜太郎

dropkneeの運営者。好きなムーヴは言わずもがな。
現在、渋谷のおんぼろアパートで人生初のシェアハウス生活中。
マイテーマソングはMINMIのシャナナ☆